2004年5月 OIE総会(第72回)で採択
補遺 XXIII
SectionXXX 動物の福祉
Chapter XX1/動物福祉のガイドライン 序論
Introduction to The Guidelines for Animal Welfare
Article xxx1
動物福祉の原則に関する指針
1)動物の健康と福祉の間には重大な関連性がある。
2)国際的に認知されている「5つの自由」(飢え、乾き、栄養不良からの自由、恐怖と絶望からの自由、肉体的なそして温度上の不快感からの自由、痛み、傷害、病気からの自由、正常な行動を示す自由)は動物福祉にとって有効な手引きとなる。
3)国際的に認知されている「3つのR」(動物の使用数の削減、実験方法の洗練、動物を利用しない技術への置き換え)は科学において動物を利用する際の有効な手引きとなる。
4)動物福祉の科学的評価は、まとめて考慮されるべきさまざまな要素を含んでおり、これらの要素の選択と重み付けはしばしば、価値に基礎を置いた前提を伴うが、これは可能なかぎり明確に設定される必要がある。
5)農業、科学、そしてコンパニオンシップやレクリエーション、娯楽目的の動物の利用は人々の幸福に大いに寄与している。
6) 動物の利用が、実行可能な範囲で最大限、動物の福祉が保証されるように”倫理上の責任”をもって行われること。(原案では”義務”→修正)
7)畜産動物の福祉の改善は、生産性と食の安全を改善する可能性がしばしばあり、従って経済的な利益を生み出すことが可能である。
8)システム(デザイン規準)よりもむしろその結果(動物への効果を判断する規準)が、福祉基準やガイドラインを比較する際の基本となる。
ガイドラインの科学的根拠
1.福祉とは、動物の生活の質に寄与する多くの要素−上記にあげた「5つの自由」で言及されている要素を含んだ広範囲をカバーする用語である。
2.動物福祉の科学的評価は、最近急速に進歩しており、このガイドラインの基礎となっている。
3.動物福祉を査定するいくつかの方法は、怪我、病気、栄養不足などといった機能阻害の程度を評価することである。他の方法は、動物の要求及び空腹、痛み、恐れといった情動のレベルについての情報を提供する。それはよく動物の選択性、欲求度、嫌悪性の強さを測定することにより行われる。他には、動物がさまざまな侵害に対する反応として示す生理的、行動的そして免疫的変化や効果を評価する方法がある。
4.こうした方法は、動物のさまざまな管理方法がいかにその福祉に影響を与えているかを評価する際の助けとなる基準や指針に結びつけることができる。
ガイドラインの倫理的基盤
動物を利用する者は、利用する動物の福祉に関して義務を負っている。生きている間に動物が経験する痛み、恐れまたストレスを最小限に抑えるような処置と適切な飼育管理施設の利用や倫理的に許容された取り扱い、検査、訓練そして管理方法を通じて高い福祉を最大限に高める処置が施される必要がある。
原案
1)福祉とは、個体が自らを取り巻く環境とどの程度十分に適応しているかを表すものでありまた健康、感情そして問題に対処する際の脳と生体構造に及ぼす他の良い影響悪い影響を包括する広範囲をカバーする用語である。
2)福祉は科学的に評価され得るものであり、”非常に良い”から”非常に悪い”までの範囲で示すことが可能である。動物福祉をいかに評価するのかという研究は最近、急速に進歩しており、こうした研究から得られる事実は、このガイドライン中の記述にも使用されている。
3)動物福祉に関する研究は、人間による取り扱いや動物の環境に対する他の影響と何らかの処置を施した際に生じる結果に対し、その個体が適応できずに生じるストレスの度合いの評価を含む。低い福祉を表すこれ以外の指標は、その個体が問題に適応するためにどの程度の努力を要するかを明らかにするものである。
4)動物福祉研究における他の領域は、動物の要求に関するさらなる情報を提供するが、これは動物の積極的なまた消極的な選択性の強さを測ることで得られるものである。動物の要求が一度理解できれば、要求を満たす状態や取り扱い方法が考案されまた利用され得る。
5)低い福祉を評価する方法は、苦痛あるいは怪我や病気などの機能的阻害の評価を含む。多くの問題は動物を査察することで明らかになり得る。
6)動物福祉を評価する方法の多くは、動物の保管及び取り扱いに関する一般的な方法及び当の動物に対して影響を与える個人の行動を評価する際の行動指針として利用され得る。これらの事実を利用することで、システム及び人間による行動が容認できるものであるかどうかが決定され得る。
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