
アニマルウェルフェア――〈動物への配慮〉という発想.
それは動物の命を大切にすることであり,苦痛や苦悩からかれらを
解放することである.人類生存の糧となる動物たちにとって
<幸>せとはなにかを問い直す.
〈主要目次〉
第1章 西欧からの発信
ウェルフェアの意味するところ/現代畜産のなにが問題視されているか/
動物実験のなにが問題視されているか
第2章 「かわいそう」を科学する
「殺す」ことをやめるのではなく,「苦痛・苦悩」を排除する/
苦悩をどのような方法でとらえるか/なにが苦痛・苦悩を引き起こすのか
第3章 倫理から法律へ,批判から建設へ
EUでは動物保護は法律として具現化した/日本では動物保護は愛護に
観念化した/動物が幸せな飼育法
第4章 「動物への配慮」の系譜
日本には動物虐待の歴史はないのか/「動物への配慮」の日本史/
狩猟採集文化の「動物への配慮」
第5章 「動物への配慮」は人間の本質
ヒト以外の動物も他者に配慮する/「他者への配慮」は進化の産物/
ヒトの「動物への配慮」も進化の産物
第6章 文化を越えて
ふたたび,「動物への配慮」の文化による違い/文化を越えた「動物
への配慮」とはなにか/文化を越えるために
<担当編集者から>
イヌやネコを飼ったことがある人ならだれでも,かれらが幸せかどうかについて考えたことがあるのではないでしょうか.でも,私たちの食卓にのぼるウシやブタが幸せに暮らしているかどうかなんて,おそらくほとんどの人たちが想像したこともないと思います.しかし,「ウシやブタの幸せについて考えることは,私たちにとって幸せとはなにかを考えることでもある」というのが佐藤先生の主張です.科学の視点から動物たちの幸せについて論じます(YK).